EN ラウンドテーブル(マルニ木工)レビュー デザイン:セシリエ・マンツ

EN(エン)ラウンドテーブルはセシリエ・マンツによるデザインです。
マルニ木工の「MARUNI COLLECTION」より、ENシリーズとして製造販売されています。

本記事は、セシリエ・マンツデザイン「EN125ラウンドテーブル」のレビュー記事です。
実際に使って気づいたこと、チェアやペンダントライトとの組み合わせなどをまとめました。
購入した商品は、EN125(Φ125cm)です。

※本サイトで紹介している商品・サービス等の外部リンクには、アフィリエイト広告を利用しているものがあります

目次

特徴

テーブルサイズは、直径125cm直径140cmの2種類です。

丸(円)と四角の組み合わせというシンプルな構成です。ポール・ケアホルムのPK54を彷彿させるデザインです。シンプルですが、どこか温かさを感じる柔らかいテーブルです。

引用元:CONNECT 写真上:EN125(天板・脚クリア)

天板・脚部はメープル材。脚部はクリアカラー塗装の選択ができます。
メープル材の特徴として、木目は薄く、経年変化はあまり感じていません(白っぽい色のまま)です。ウレタン塗装されているため、経年変化はほとんどないと購入時に教えてもらいました。塗装は「クリア塗装(ウレタン樹脂塗装)」仕上げです。

引用元:FELICE 写真上:EN125 マットクレイホワイト

脚部のカラーは、マットブラック・マットクレイホワイト・マットダスティグリーン・マットラスティレッドの4カラーです。上の写真は「マットクレイ」カラーです。マットクレイは、セシリエがデザインした有田焼「arita1616 japan」「CMA “Clay(クレイ)” collection」のように生成りがかったグレーと似たカラーです。

スクロールできます
EN125EN140
天板サイズΦ125cmΦ140cm
高さ72.5cm72.5cm
62cm62cm
重さ40.5kg48kg
サイズ表

引用元:ヤマギワYAMAGIWA 写真上:EN140(天板・脚クリア)

面取り加工が美しい

脚部は面取り加工です。この面取り加工がなんとも綺麗です。

ENでは、斜めにスパッと切り落とす45度の面取りを採用しました。

木のフレームの内側を斜めに切り落とすという細工をすることで優しい陰翳を生み出し、工芸的な職人の手のぬくもりを感じられる雰囲気を作りだしました。EN(円)から連想すると、とても丸く優しい雰囲気を思い描きますが、甘くなりすぎないバランスを保つのは天板や背もたれ、そして座面が地面に対して水平なラインを保っている美しさです。

マルニ木工コラム(縁をつなぐかたち「EN」)

天板の薄さ

天板は、手元に近い面が一番薄く厚みが約10mm。手元側から中心に向かい勾配があり、天板の厚みは32mm(カタログより抜粋)となっています。この天板の薄さで、幕板もないので、大きいテーブルでも、空間が重くならないと感じます。

天板は天板下側にゆるやかな曲面を取り天板を薄くすっきりと見せ、水平さを際立たせる工夫を施しました。

マルニ木工コラム(縁をつなぐかたち「EN」)

ENの由来

「EN」は日本語で「円」、「丸」、「緑」。デンマーク語では、「1」を意味する言葉です。セシリエが「MARUNI COLLECTION」に参画した最初のプロダクトが、ENシリーズです。セシリエからマルニへ「ラウンドテーブル」からコレクションを始める提案したとコラムに掲載されています。

初めての打合せの後、セシリエ・マンツよりラウンドテーブルをデザインすることの提案がありました。

日常生活での多くの活動はテーブルや椅子の周りで起こります。家族・人々がそれらの周りに集まり、体験や想像が生まれ、またその体験や想像を共感して繋がりが生まれます。それほどテーブルや椅子は生活の中でとても重要な要素の一つです。

彼女がラウンドテーブルを選択した理由はそこにありました。

人々が集まるきっかけ、団らんや平等なども含めたコンセプト。
この時点ではまだ名前のないラウンドテーブルの製作が始まりました。

引用元:マルニ木工コラム 縁をつなぐかたち「EN」01 

テーブルの高さとチェアの組み合わせ

ENのテーブルの高さは72.5cmです。同じENシリーズの「ENチェア」の座面高さ(SH)は、45.5cmです。
ENチェア以外で合わせるチェアの座面高さは、43cm〜46cmのチェアが使いやすいです。

フリッツ・ハンセンのセブンチェア(SH約43.5cm)、PPモブラーのPP68(SH44cm)と合わせていますが、ちょうど良い高さです。PP68はアーム(高さ68cm)がテーブルの下にすっぽり収まります。

引用元:CONNECT PP68(ビーチ材・ソープ仕上げ) EN125と合わせているチェアです

引用元:CONNECT ENチェア 張座(ウォームグレー)

ENテーブルENチェアを組み合わせることで、より統一感のある空間になります。想像以上に座り心地の良い椅子です。

木製チェアと組み合わせ

テーブルの材質はメープルなので、木製チェアを選ばれるときは樹種で迷うかもしれません。

ENチェアはテーブルと同じメープル材です。
展示品で試しに座ってみたところ、見た目以上に、ゆっくり寛げるチェアだと感じました。

引用元:CONNECT EN125とENチェア張座

メープル材(EN)✕ビーチ材(チェア)の組み合わせ

写真のチェア(PP68)は、ビーチ材のソープ仕上げです。ビーチとメープルは近いカラーですので、違和感はありません。ビーチ材は、木目が少ないことも特徴です。PP68はアームがありますが、ENテーブルの下にアームは収まります。

メープル材(EN)✕オーク材の組み合わせ

オーク材のオイル仕上げは、経年変化で飴色に変化していきますが、色白なメープルと組み合わせても違和感はないと予想します。

同じセシリエ・マンツデザインのチェアで、「PostChair(ポストチェア)」(フレデリシア)があります。
PostChairは、オーク材/アーム付き/SH45cmです。
同じデザイナーのテーブルとチェアですので、どこか同じ雰囲気が感じられます。

PostChair(フレデリシア)公式サイト >

国内製品と海外製品のテーブルサイズ(補足情報)

日本ブランドのテーブルの高さは、70cm〜72cmが多く、海外ブランドでは72cm〜75cmが多いです。

日本ブランドの座面高さ(SH)は、42cm〜44cmが多く、海外ブランドのチェアの座面高さ(SH)は、44cm〜46cmが多いです。テーブルの高さに合わせて、チェアを作るため、テーブル高さが低い日本ブランドでは、海外メーカーと比べて、座面高さが低い傾向にあります。

マルニ木工は日本ブランドですが、海外展開していることから、テーブル高さが72.5cmと、国産ながらやや高さのあるテーブルです。そのため、海外ブランドのチェアの方がサイズを合わせやすいです。

お手入れのこと

普段のお手入れは、乾拭きで大丈夫です。「ウレタン樹脂塗装」のため、水拭きもできます。
アルコールは樹脂塗装が剥げるため、使用できません。(アルコール付きのウェットティッシュ・スプレーなど)

とても薄いクリア塗装のため、見た目から塗装されているかわかりません。
手触りはツルツルしています。マルニ木工はウレタン塗装仕上げがとても得意な企業ですので、光に反射することもなく、コーティングしているような仕上がりです。

ウレタン塗装について、マルニ木工公式サイトに掲載があります。

マルニ木工 公式サイト - Maruni
長持ちの秘訣/ウレタン仕上げ|マルニ木工オンラインショップ|maruni ONLINE SHOP 前回のコラムで、オイル塗装の家具はメンテナンスをしながら使っていくことで木の味わいが深まり、自分だけの一脚になっていくことをお話しました。それでもやはり、オイル...

長く使い続けていくうちに、ウレタン塗装が剥げたときには、マルニ木工にて修繕可能です。
購入店経由で依頼することもできます。

ここからは、個人的な予想です。ウレタン塗装が剥げても、見た目での判別は難しいかなと思います。
前述の通り、塗装されているかわからないくらい自然なクリア塗装ですので、分かりづらいです。
手触りで判断することになると思いますが、仮に塗装が剥げたとしても、気にならないかもしれません。

組み立てと分解について

2名で組み立て可能です。
組み立ては、天板に脚をネジを固定するだけのシンプル作業ですので、簡単です。
部屋の模様替えも、大人2人であれば、移動もできます。(Φ125:40.5kg/Φ140:48kg)

一般的な室内扉(開き戸)は、扉幅67.8cm〜81.8cmです。
引っ越し時には、天板と脚を外さなければ搬出・搬入できません。
組み立てと同じく、天板と脚の接合箇所のネジ(8本)を外すことで、分解ができます。

天板裏の黒い金具は、「反り防止」金具です。木は水分を吸ったり、放出したりしていますので、音も鳴ります。
実際にENを使って気づいたことは、部屋が静まったときに木が動いている音が聞こえます。

木製家具(無垢材)全般に言えますが、木は「動く」と言われています。
ENの天板は薄いため、反り防止金具を取り付けていると考えられます。

2025年5月 引っ越しメモ 自力でENテーブルを運び出す

引っ越しの際は、ENテーブルを自力で運び出し・設置しました。2人作業であれば、問題なく運び出しできます。

ENテーブルで良かった点は、簡単に分解・組み立てができることでした。一般的なマンションの出入口扉の有効開開口寸法が720ミリ前後です。有効開口寸法が720ミリ以上あれば、脚を取り付けた状態で運び出すことができるとされています。

私の自宅は、引っ越し前の扉が720ミリ以下、引っ越し後の扉は700ミリ(簡単に取り外しは可能な扉)と狭く、ENの天板と脚を取り付けた状態で運び出すことが不可能だったため、テーブルの脚を簡単に取り外すことができるENは引っ越し時にスムーズに運び出せました。

EN125cmの重さは約40kgです。脚の重さは一人で移動できる重さ(10kg以下)です。天板は30kg以上の重さがあり、円形が非常に手で掴みにくいことは上げておきます。

余談ですが、私が購入時に比較したラウンドテーブルのフリッツ・ハンセンPK54の重量は200kg以上でした。PK54のテーブルを移動する際は4人作業と聞きます。ウェグナーのラウンドテーブルpp75(Φ140)は、重さ約70kgです。ダイニングテーブルの移動は頻繁にないと思いますが、参考情報として、記載しました。

円卓のサイズについて

サイズの目安として、食事をする場合、Φ125cmは4人、Φ140cmは6人が着座し食事ができる広さです。
一般的には、以下が目安とされています。

スクロールできます
サイズ人数
Φ90cm〜Φ110cm2人
Φ110cm〜Φ125cm3人〜4人
Φ125cm〜Φ140cm4人〜6人

実際に使ってみて(サイズ感)

Φ125cmを使っていますが、2人〜3人が使いやすいです。
4人で食事を囲むことはできますが、狭さを感じます。軽食でしたら、4人以上で囲むこともできます。
置ける広さがあるのでしたら、大きいサイズ(Φ140cm)の方が使いやすいと思います。

Φ125cmも、テーブルの前に座ると、十分に広さを感じます。
部屋の広さに対してテーブルが大きく感じましたが(約8畳の部屋に置いています)、数日経つと見慣れたせいか、テーブルの大きさは感じなくなりました。

照明について

ペンダント(カラヴァッジオ)との組み合わせについて

セシリエのデザインである「カラヴァッジオ」の組み合わせは間違いありません。カラヴァッジオP2(1灯)で、Φ125cmのテーブル天板を全体を明るく照らすことができます。

引用元:CONNECT 写真上:EN125 照明:カラヴァッジオP3

引用元:ヤマギワYAMAGIWA 写真上:EN140 照明:カラヴァッジオP2

Φ125cmに合わせた感じの光の広がり方ですと、EN(Φ140cm)のテーブルでは、カラヴァッジオP2(Φ25.8cm)では両端10cmくらいは中心部と比べ、少し暗くなると予測します。Φ140cmのテーブルには、カラヴァッジオP3(Φ40cm)がおすすめです。

Φ125cmのサイズも、カラヴァッジオP3の組み合わせが良いと思います。(写真はP3)
特にすっきりしたお部屋ですと、カラヴァッジオP3の方がバランスが取れると思います。P3はΦ40cmと大ぶりなため、写真で見るとインパクトがありますが、周囲に溶け込む照明ですので、ボリュームを感じることはありません。

カラヴァッジオのスチールシェードでは、部屋全体を明るくすることはできません。
ダイニングテーブルだけでなく、部屋全体も明るくしたいときには、「ガラスシェード」を選ぶとよいでしょう。
ガラスシェードは、カラヴァッジオにもありますが、P2以上のサイズは「ワイヤー吊り」となり、ワイヤーを直接天井に吊るすため工事が必要になります。

カラヴァッジオ >

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VL45ラジオハウスペンダントと組み合わせ

ルイス・ポールセンのVL45ラジオハウスペンダントを組み合わせています。ガラスシェードですので、部屋全体が明るくなります。

サイズは、Φ250mm(中サイズ)とΦ175mm(小サイズ)の組み合わせです。
写真では、テーブル高さから60cmの位置に、Φ250mmを設置しています。
VL45ラジオハウスペンダントΦ370mm(大サイズ)の1灯吊りでも、テーブル天板全体を十分明るくできると思います。

実物を見るには

公式店舗(広島・東京・大阪・福岡)

「MARUNI COLLECTION」の公式ショップである「maruni」の店舗に展示があります。事前に展示有無を確認される方がよいでしょう。

マルニ木工 公式サイト - Maruni

全国の展示店

公式店以外に、家具販売店・百貨店での展示もあります。
ENの展示はされていないことの方が多いので、事前に展示有無を問い合わせした方がよいです。

COLUMN

セシリエは、デンマークの現役デザイナーであり、家具だけではなく様々なプロダクトデザインをされています。
代表作としては、ペンダントライトのカラヴァジオ(フリッツ・ハンセン)、ガラス製品のミニマ(ホルムガード)、ポータブルスピーカーのBEOLIT(バング&オルフセン)など。

シンプルな中にも柔らかさと強さを感じるデザインで、使っていくうちに手に馴染むデザインです。
アルネ・ヤコブセン、ポール・ケアホルムなど、デンマーク家具黄金期(1940年〜1960年代)の家具と、セシリエのデザインは不思議としっくり馴染んでくれます。

身の回りのモノにセシリエのデザインアイテムが増えてきました。
ENのテーブルの上でarita1616/CMAの食器を使い、食器を洗ったらRAIN(ティータオル)で拭きあげるが日常です。これらはすべてセシリエがデザインしたプロダクトで、これからもセシリエ・マンツデザインのモノが身の回りに集まっていくと思います。

デザインだけではなく、職人の方の技術あってのテーブルだと感じています。
これからも、大切に使っていくとともに、今後のマルニ木工の新しいコレクションが楽しみです。

スペック

ブランド:MARUNI COLLECTION(マルニ木工)
デザイナーCecilie Manz(セシリエ・マンツ)

材質 | メープル ムク
寸法 | EN125 W1250mm×D1250mm×H725mm 約 / 40.5kg
     EN140 W1400mm×D1400mm×H725mm 約 / 48kg
生産 | 日本

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この記事を書いた人

システムエンジニア(SE)歴20年。
SEならではの仕様調査と実機レビュー(実際に使ってみての使用感)で、論理的にわかりやすい記事作りを心がけています。

家に居ることが大好きで、もっと暮らしやすい空間を作りたいと思い、インテリアを調べていく中で、北欧家具に出会えました。

北欧インテリアブランド(ルイスポールセン、フリッツ・ハンセン、PPモブラーなど)を中心に、本当に良いと思ったモノだけを紹介しています。

好きなデザイナーは、ポール・ケアホルム、セシリエ・マンツ
シンプルなデザインの中に、どこか柔らかさがあるデザインが好きです。

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