カラヴァッジオは、Cecilie Manz(セシリエ・マンツ)デザインのペンダントライトです。(2005年デザイン)
デンマークの家具ブランドFRITZ HANSEN(フリッツ・ハンセン)の照明です。
高級家具ブランドのフリッツ・ハンセンですが、照明は家具と比べると購入しやすい価格帯になっており、カラーバリエーションとサイズ展開も豊富です。DEAN&DELUCAなど、多くの商業施設・店舗で使われており、世界的に有名なペンダントライトです。
セシリエ・マンツデザインではじめて購入したプロダクトがカラヴァッジオで、使いやすさに惚れ込み、今ではP1・P2・P3の全サイズを毎日愛用しています。
本記事では、カラヴァッジオを全サイズ使って気付いたこと、サイズの違い・テーブルとの合わせ方・コード加工(コードカットの必要有無)などをまとめました。
購入した商品は、カラヴァッジオP1(オパール)、P1(グレー25)、P2(グレー25)、P2(ブラック)、P3(ウォームグレー)です。
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周囲に溶け込むデザイン

究極にシンプルなデザインで、特徴的なフォルムにも関わらず、いい意味で存在感がないので部屋に溶け込みます。テキスタイルコードは、シェードカラーにより、組み合わせるテキスタイルコードのカラーが異なり、細部へのこだわりを感じます。
細部への強いこだわり
マンツは、素材の耐久性と優れたクラフツマンシップを重視するデンマーク人の傾向に応えたコンセプト作りに努めています。また、照明デザインでは光そのものから目を奪うことのない、常に機能が優先された照明の開発に取り組んでいます。彼女のデザインは、革新的でありながらもミニマムで細部への配慮がなされている点が特徴です。2005年に発表されたペンダントランプ、カラヴァッジオは、その魅力的でタイムレスなデザインで瞬く間に成功を収め、デザインアイコンとしての地位を獲得しました。モダンな表現を目に見える形にしたこの照明は、今もなおデンマーク国内外の個人住宅、ブティック、オフィススペースで採用され非常に高い人気を維持しています。

「スチールシェード」と「ガラスシェード(オパールガラス)」の2種類あります。
「スチールシェード」が有名ですが、用途によってはスチールシェードより明るい「ガラスシェード」がよいシーンもあります。
スチールシェード

落ち着いた雰囲気を楽しめる「スチールシェード」は、カラヴァッジオの美しいデザインを際出せます。
ダイニングテーブル以外にも、デスクライト、寝室、トイレ、玄関の照明など、場所を問わず使えます。トイレや玄関で使うイメージはないかもしれませんが、角にカラヴァッジオを吊るすととても綺麗です。
スチールシェードは、上方・下方の光です。スチールは光を通さないので、落ち着いた雰囲気になります。
スチールシェードは艶あり・艶なしの2種類
スチールシェードは、ハイグロスラッカー(艶あり)とマット(艶なし)の2種類があります。

ハイグロスラッカー(艶あり)は、艶があることで、黒でも重さを感じない美しいカラーです。
ブラックは、コードをレッドとブラックを選べますが、ブラック×レッドは名前の由来である、イタリアの画家ミケランジェロ・メリージ・ダ・カラヴァッジオ(1571-1610)の作品を思い出します。2005年発売当時のテーマカラーは、ブラック×レッドの組み合わせでした。

マット(艶なし)は、部屋に溶け込むカラーです。ハイグロスラッカー(艶なし)とマット(艶なし)をどちらも試してみましたが、「マット(艶なし)」の方が馴染みやすいと思います。
ハイグロスラッカーとマット・オパールでは、シェードを吊る金具の仕上げも異なり、ハイグロスラッカーの金具は艶あり、マット・オパールの金具は艶なしの加工と、細かな違いがあります。
豊富なカラーバリエーションと合わせやすいカラー
「マット(艶なし)・ライトグレー(グレー25)」と「ウォームグレー」が合わせやすいカラーだと思います。他のカラーは「マット・ホワイト」「マット・グレー(グレー45)」「ブラック」があり、2024年秋に新色として「ウォームグレー」「パティナグリーン」「ダスティーグリーン」「ラスティレッド」が追加され、計8色の展開です。
ハイグロスラッカー(艶あり) | マット(艶なし) |
---|---|
ホワイト(コード:グレー) | ホワイト |
ブラック(コード:ブラック) | ブラック |
ブラック(コード:レッド) | グレー45 |
グレー25 | |
ダスティー・グリーン | |
ウォーム・グレー | |
パティナ・グリーン | |
ラスティ・レッド |
引用元:ヤマギワ
カラヴァッジオP2マットブラック
ガラスシェード(オパールガラス)

スチールシェードより明るい、全体発光のガラスシェード(オパールガラス)です。光量は、スチールシェードの1.5倍〜2倍になります。手吹きの3層オパールガラスと厚みのあるガラスですので、眩しさを感じることもありません。電気を点けていないときには「ホワイト」に見えます。
光量が必要な場所、例えばキッチンでは、「オパールガラス」の方がスチールシェードより明るく適しています。また、オパールガラスはガラス製のため、油汚れを濡れた布で拭き取れる点でも適しています。
(写真上)オパールシェードの大きいサイズ(P2・P3)は重量があり、ワイヤー吊り(ワイヤーを天井に直接固定する作業を行う工事が必要)になります。写真上のように、細いワイヤーで吊る仕様になります。
器具のこと
コードと金具の取り付け方法
シェードとコードの取り付け・取り外しは付属の「六角レンチ」で簡単に取り付けできます。(3箇所)
コードのカラー(網目状のテキスタイル)とシェードを吊る金具のカラーは、シェードのカラーに合わせて組み合わせが異なります。
サイズと適合電球について
カラヴァッジオのサイズは、P1・P2・P3と3サイズの展開です。
P1:Φ165 P2:Φ258 P3:Φ400。適合電球は、P1〜P3共通でE26電球です。使いやすいサイズは「P2」だと思います。P3は直径40cmとサイドテーブルくらいの大きさがあるサイズですので、一灯で幅120cm〜150cm程度のテーブル全体を明るく照らすくらいのサイズ感です。
シェードの幅と深さがしっかりあるので、通常電球よりサイズが大きいスマートライト(Hue)も取り付けができます。明るさを落としたいときは、E26→E17変換プラグを使用して、E17電球を取り付けることもできます。
P1 | P2 | P3 | |
---|---|---|---|
サイズ | Φ165×H216 | Φ258×H337 | Φ400×H516 |
電球 | E26 | E26 | E26 |
Hue |
多灯吊りについて
大きなダイニングテーブルやカウンターでしたら、P1サイズまたはP2サイズで、多灯吊りすると十分な明るさを確保できます。明るさが必要なダイニングテーブルにはP2サイズが合わせやすいです。
多灯吊りをするときは「ダクトレール」(「ライティングレール」とも呼ばれます)が必要です。ダクトレールは、回転式でスライドができる商品がオススメです。カラヴァッジオ(スチールシェード)は軽量ですが、ダクトレールの「耐荷重」も調べた上で商品を選びましょう。山田照明 TG-471(180°の範囲で回転可能)を使っています。
・P1:スチールシェード/0.7kg オパールシェード/約0.9kg
・P2:スチールシェード/1kg
・P3:スチールシェード/2.2kg
補足:P2・P3のオパールシェードは、要取付工事のため記載していません。

ペンダントは、同じ高さに揃えなくても大丈夫です。高さ違いを組み合わせて楽しむこともできます。

まぶしくない照明の高さ
ダイニングテーブル
ダイニングテーブルの上の照明は、テーブルから55cm〜65cmの位置が目安とされています。(照明器具や身長にもよります)

写真はテーブルトップから60cmの位置に設置しています。(サイズ:P2)
テーブルサイズは、120cmテーブルです。120cmのテーブルの面全体に光が広がっています。

こちらも、テーブルトップから60cmの位置に設置しています。(サイズ:P2)
テーブルは、Φ90cmジャスパー・モリソンデザインのT&Oラウンジテーブル(MARUNI COLLECTION)です。
デスク照明に使ってみる




デスクライトとして使うときなど、やや高めの位置(70cm〜80cm)に設置した場合でも、カラヴァッジオはシェードが深いので、光源が目に入りません。写真は、テーブルトップから約80cmの位置に設置しています。(サイズ:P2)
2025年2月 P2とP3を比べてみる


デスク照明にP2サイズを使っていましたが、テーブルの端に吊っているということもあり、180cmのテーブル天板全体に灯りが届きませんでした。2024年に新色も出たということもあり、新色のP3を購入してみました。
P2のサイズはΦ258、P3のサイズはΦ400と1.5倍大きく、P3はサイドテーブル程度の大きさがあります。重量は2.2kgと軽いので、ジャンピングで吊り下げています。オプションのコード加工はしていません。(標準コード長さ:150cm)

かなり大ぶりな照明に見えますが、カラヴァッジオが周囲に溶け込むので意識して目を向けないと、日常ではカラヴァッジオの存在に気づきません。空気のような照明です。


P3はテーブルの端に吊るしても、180cmのテーブル天板全体を明るく照らすことができます。

P3の電球はE26×1個です。さらに、P3には「ディフューザー」というオプションがあります。ディフューザーは、シェードを下から覗き込んだ際に光源(電球)が直接見えないようにするための半透明のアクリル板です。
コードの長さについて
標準のコード長さ(カットなし)は、1500mmです。1500mm+シェードの長さを「全長」と呼びます。コード長さはジャストサイズにカットするより、個人的には「長め」がオススメです。
「ジャンピング」で設置する場合は、コードカットなしで設置できないか、確認しましょう。
コードが長すぎて気になるときにはコードカット、または短いときにはコード延長(6mまで)を依頼できます。コードカットなし(標準コード)は納品が速いです。コード加工を依頼すると、在庫があるときでも、3週間〜4週間程度時間がかかります。
標準コード(コードカットなし・電源プラグ変更なし)であれば、「引っ掛けシーリング」アダプタになります。ダクトレール用プラグに変更できるオプションもあります。(引っ掛けシーリング→ダクトレール変換アダプタを使い、ダクトレールに設置することも可能です。)

「ジャンピング」とは、コードをたわませて、天井フックからコードを吊り下げる方法です。(写真はテーブルトップから80cmの位置にカラヴァッジオP2を設置しています。)
コードの長さや設置方法で悩んだ際は、プロの販売店に相談するのが適切だと思います。
事前情報がない状態で問い合わせをするよりも、少しでも知識を持った上で相談した方がスムーズです。そのため、参考までにコード調整についてを記載しましたので、ご活用ください。
ジャンピングの方法(コード長さの調整)

天井電源にペンダントを吊っている器具の長さを調整するときは、「コードハンガー」または「マジッククロスJフック」を天井(下地)に打ち込み、長さを調整することができます。
写真では「マジッククロス Jフック(天井用)耐荷重2.7kg」を使用しています。
「マジッククロス Jフック(天井用)」を使ってのジャンピング方法
- コードを結束バンドで縛る
必要な高さの位置に吊るせるように、フックに吊るす部分を結束バンドで縛る - 天井(下地)にフックを打ち込む
コインでフックを入れることもできますが「プッシュマジック」という専用の商品が使いやすいです。 - コードをフックに吊るす


「コードハンガー」は、ネジを打ち込みます。「マジッククロスJフック(天井用)」は細いクギのため、取り外したときも、跡が目立ちません。取り外す時は、ニッパーで引き抜きます。
コードハンガー
デンマークのインテリア写真を見ると、天井にシーリングプラグがなく、壁際にあるコンセントからジャンピングしている写真をよく見かけます。天井は視界に入らないので、照明のコードがあっても気になりません。

ダクトレールに吊りフックをかけて微調整
ダクトレールにジャンピングをするときは、「ライティングレール用 吊りフック」という商品があります。
少し長い程度でしたら、吊りフックでも調整できます。
購入後のコード加工について(参考)
カラヴァッジオを別の場所に設置したときコードの長さが足りず、購入後に再度コード加工を依頼しました。
購入元の店舗に問い合わせし、コード加工を再依頼する流れでした。(費用は15,000円前後)コードとシェードをセットで梱包し、自宅から発送しました。
フリッツ・ハンセンのフランジカバー
「フランジカバー」とはプラグを隠すためのカバーです。
カラヴァッジオは、白と黒の2種類あり、シェードカラーが黒の時は黒のフランジカバー。他カラーは白のフランジカバーになります。
ダクトレールの電源プラグと、引っ掛けシーリングの変換プラグを差してもカバーできる大きさです。少しコードが長い場合は、フランジカバーに丸めてコードを隠すこともできます。
フリッツのフランジカバーは、カバーが下に落ちない工夫された形状になっています。
ただし、簡単に取り外しができず、取り外したいときはプラスチックを工具で切断しなければいけません。


フランジカバーがない方がよい場合は、購入時に不要と伝えておいた方がよいです。例えば、アダプタがダクトコードの場合は、見た目がスッキリしていますので、フランジカバーがなくても違和感ありません。また、ペンダントを電源コンセントからつなぐ場合は、フランジカバーは不要です。
変換プラグを取り付けるとき、コードを束ねてフランジカバーの中に入れたい場合は、フランジカバーが必要です。
お手入れ
ステンレスシェード:乾いた布で拭き上げます。
ガラスシェード:乾いた布で拭き上げます。油汚れが付着したときなど、汚れが酷い場合は、やわらかい布を中性洗剤に浸し、よくしぼってふきとり、乾いたやわらかい布で仕上げます。
ステンレスシェードのマット(艶なし)とオパールは、ホコリが目立ちません。近づかないとわからない感じですので、気にならないかもしれません。ステンレスシェードの艶ありの濃いカラー(ブラック系)は、ホコリが目立ちます。
実物を見たいとき・購入するとき
フリッツ・ハンセンの取り扱いがある正規販売店または、フリッツ・ハンセンのショールームに展示されています。
フリッツの代表的なペンダントであり、どのテーブルにも合わせやすい照明ですので、フリッツ・ハンセンの取り扱いがある店舗には、ほとんど設置されていると思います。実物を見たいときには、事前に確認されることをオススメします。私は「アクタス」で実物を見ました。
フリッツ・ハンセンの正規販売店(フリッツ・ハンセン公式サイト)
COLUMN
カラヴァッジオとセシリエ・マンツのデザインについて
セシリエのデザインで初めて購入した製品は「カラヴァッジオ」でした。
デスクライトのペンダントを探していて、当初はルイス・ポールセンの「アバーヴ」が候補でした。
高い位置に吊るす前提でしたので、アバーヴよりシェードが深いカラヴァジオを選びました。
使い続けて、想像以上の照明に気づきました。眩しさがなく、上方向にも柔らかな光が上がるので、部屋全体が柔らかい雰囲気に変わります。カラヴァッジオがきっかけで、家具・食器・日用品もセシリエのデザインが増えてきました。
カラヴァッジオは間違いなく、セシリエ・マンツの代表作でもあり、名作照明です。
スペック
ブランド:FRITZ HANSEN(フリッツ・ハンセン)
デザイナー:Cecilie Manz(セシリエ・マンツ)
デザイン:2005年
寸法|P1
φ165mm×H215mm コード長:約1.5m
重量:約0.7kg(スチール)/ 約0.9kg(オパール)
P2
φ258mm×H337mm コード長:約1.5m
重量:約1.0kg(スチール)/ 約2.0kg(オパール)
P3
φ400mm×H516mm コード長:約1.5m
重量:約2.2kg(スチール)/約4.7kg(オパール)
備考|P2・P3のオパールシェードは、ワイヤー吊り(要工事)

