インテリアの基本は「片付け」にあると考えています。
インテリア雑誌に、散らかった部屋は掲載されていません。物が多くても、整った空間が紹介されています。インテリアでは「片付けていること」が前提なんだと思います。
本記事では、「インテリアを整える」観点で、私が実践したこと・仕組み作りをまとめました。
家具を買う前に片付けが必要な理由
部屋を整理してから、家具を選ぶと失敗を減らせます。
私が家具を揃える前に片付けをしてよかったと思ったことは、
- 片付け前ではスペースがなくて置けなかった、ダイニングテーブルを置くことができた。
- 片付けを進めていく中で、「必要」と思っていた物は、「不要」と考えが変わった。
- 自分の好きな色・インテリアのイメージがわかってきた。
と、メリットしかありません。
片付けは「技術」です。片付けを身につけるには、不要な物を捨てる・使った物を元の場所に戻すを繰り返すしかありません。片付けをしていくと、取捨選択が自然と身につくので、物を選ぶときの判断にも活かせていると感じています。
片付けのメリット
整理整頓が苦手で、物が多く散らかった部屋でしたが、10年前に家全体の物の見直しを行いました。
今では片付けが一番好きな家事です。片付けをして、私が実感しているメリットを紹介します。
◎家が好きになる
「ごちゃごちゃした家にいるより、外に出たい」と思わなくなり、家が一番快適となりました。
◎お金が貯まる。
日用品も吟味して選ぶので、初期投資はかかりますが、買い替えることがないので、長い目で見るとコストパフォーマンスが良いです。長く使える物を選んでいるので、物が揃っていくと、買う物はなくなります。
◎自分の好みがわかる。(自分を知れる)
不用品を整理していくと、自分の好みがわかるようになります。不用品を見ると、共通していることがあります。好きな色・柄など、使わなくなった物と残った物で共通している点を探すと、好きな傾向がわかり、家具選びや好きなテイストが見えてきます。
◎物選びが上達する。
捨ててきた物を分析すると、どういう物は使わないのか理解できるようになり、好みもわかると、具体的な好みの条件で物を探しをするので、買い物に失敗することが少なくなります。
◎時間が増える。
物を探す時間・片付け・掃除の時間が短くなるので、自由な時間が増えます。
◎ゴミが減る。
物の見直しでは、必然的に捨てることになります。色々と捨てた結果、物をじっくり取捨選択するようになると、「とりあえず」で買った物が家に入らなくなるので、ゴミを減らせます。
インテリアを整える方法
私は「物を減らして、少しずつ足していく」ことがインテリアを整える最善策だと考えています。
第一弾として、ざっと家全体の見直しを行った後に、第二弾として必要最低限まで物を減らす、ということを行い、今にいたります。最低限まで物量を減らして、家具をゆっくり選びました。物を減らすことで、本当に必要な家具がおのずと見えてきます。
私のインテリアの基本
シンプルなインテリアが好きです。モデルルームまでは目指していませんが、物の配分は隠す(収納)8割・見せる2割で考えているので、視覚的に「減らす」ことを意識しています。
毎日物は増えていきます。不要な物は持ち込まない・定期的に物の見直しをする、ということをしないと、あっという間に物が増えてしまうので、とにかく「減らす」を意識しています。
とことん、ギリギリまで削ぎ落とします。リセットしたときは、家具と照明だけの状態にして、植物を足しました。特に共有スペースは、物を減らした方が生活が楽になります。
無彩色(白・黒・灰色)、茶、青を選んでいます。たくさんの色があると、部屋が散らかってみえます。カラーを統一すると、なんとなくまとまりもでてきますので、それっぽい雰囲気になります。
小物(文具・日用品)がテーブルの上にあると、散らかってみえるので、使わないときはボックスの中に入れて隠しています。めんどくさいと思われるかもですが、探し物がなくなるので、逆に便利です。
家具・照明はもちろん、雑貨・文具・調理道具なども本当に気に入っている物を選んでいくと、いつの間にか身の回りの物も整っていきます。毎日使う物こそ、とことんこだわり選んでいくと、捨てることなく長く使う物が集まります。
片付けの順番
片付けの順番は、クローゼット、リビング、玄関・洗面所、キッチン、寝室の順に、物の総点検をしました。
準備する物は、捨てるためのビニール袋と、即決できなかった物を入れる箱(段ボールや袋)を用意します。
大きな物を動かす・大量に処分する物があるときは、「グリップタイプの手袋」と、ごみ袋に指定がなければ「厚み0.04mmのゴミ袋(70L)」がオススメです。(厚み0.04mmのゴミ袋は、重い物が中に入っていても、運び出しをするとき破れにくいです)
- 自分の物だけを片付ける
家族の物は持ち主に。捨てる物は自分の物だけ。 - 判断に時間をかけない
迷った物は無理に捨てない。即判断できる物に絞って整理しました。
少しでも迷った物は、別の箱に入れて一定期間保管。 - 写真を撮る
BeforeとAfterの写真を撮ることをオススメします。
写真を撮ると客観的に見れるので、「ごちゃごちゃしている」「〇〇は多すぎる」と思う部分が出てきます。
クローゼット(押入れ)
主に「服」の見直しをしました。完璧は目指さずに、すぐに判断できる物の分別です。服は比較的すぐに判断できると思います。悩ましいのがブランド物など、高価な服でしょうか。無理に捨てず、「しばらく着ていない服」の箱に保管する(決断の先送り)がいいと思います。決断を先送りした物たちは、衣替えのタイミングでゆっくり決めました。
当時は、衣類(45%)・書類(5%)・日用品(30%)・そのほか(20%)でした。
現在は、衣類(20%)・書類(15%)・工具(15%)・PC関連(30%)・災害時の備蓄品(30%)を保管しています。
クローゼットは季節が変わる(衣替え)タイミングで、定期的に見直しをすると、物量をキープできます。
- 2年以上着ていない服は処分。
- 「思い出の品」を発見したら、スルー。開けてしまうと手が止まってしまうので、無理に捨てず保管。
- 本や雑貨など、細々した物は、大雑把に分別して見直し。
リビング
自分の物はリビングに置かない、これだけです。
- 私物をリビングに置いているのであれば、自室で保管する場所を決める。
- 家族と共有して使う物は収納場所を決めてリビングに置く。滅多に使わない物(いつ最後に使ったか、わからない物)は、別の場所に保管。
- 書類をリビングに置くと乱雑になってしまうので、書類は別の場所で保管。(リビングに書類を置く場合は、扉付きのキャビネットを購入する予定)
テーブルに物が集まってしまう
テーブルの周りにモノが集まるのは、収納場所が決まっていないからです。
テーブルの上に、リモコン・ティッシュなど、細々したモノが散らかっているのであれば、収納場所を決めます。備え付けの収納がなければ、扉付きキャビネットなど、新たな家具を購入するかよく考えます。具体的に何をどのくらい収納するか決めてから、家具のサイズを考えるのとよいと思います。
参考:リビングからテレビを撤去したら片付いた話
テレビの周りに物が集まります。テレビは寝室か自室に置くと、リビングがスッキリします。
私の家はリビングが狭いので、テレビを置くとダイニングテーブルが置けない・ペンダントライトがテレビの高さと干渉する、ということもあり、リビングにテレビを置いていません。
他にテレビを置かないと決めた理由
- テレビを基準に家具を考えることになる(テレビ・テーブル・ソファの家具構成)
- テレビの周りに物が増えやすい(片付けの難易度が上がる)
私の家にはテレビはありませんが、ネットがあるので「テレビが欲しい!」となっていません。
玄関・洗面所
玄関・洗面所は、目的がはっきりしているエリアなので簡単です。しばらく使っていない物は処分し、日常的に使っている物・ストックしている物だけを保管します。
私が置かないと決めている物は、玄関は傘・鍵・財布、洗面所は下着・着替え・ドライヤーは収納にしまっています。靴を増やさないように、雨でも履ける防水加工のGORE−TEXを選ぶようにしています。
- 毎日履いている靴以外は、靴箱にしまう
- 使っていない靴・傘は処分
- 靴箱に入りきれないときは、季節外の靴をクローゼットで保管
- 必要最低限の状態にする
- 不要なタオル・洗剤・日用品は処分(適切なストックを考える)
キッチン
食材・食品ストック・調理道具・食器の見直しです。食品は賞味期限があるので、いる・いらないの判断がしやすいです。食品から整理を始めて、整理に慣れてきたら、調理道具・食器の順に進めました。
キッチンも家族と共有スペースですので、家族と一緒に整理することをオススメします。
自分だけで判断できる物(例えば調理器具など)を、モクモクと作業。家族の協力が必要なエリア(食器など)は、家族の気分が乗っているとき(大掃除のタイミングなど)に、タイミングを分けて整理しました。
過剰にストックを持たない
食料品・日用品ともに、ストックを持ちすぎると保管場所・管理の手間とデメリットしかありません。食料品は賞味期限もあるので、管理ができていないと、食品ロスになってしまいます。私は日用品(消耗品)も、ストックは1個までと決めています。
参考:食品ストックのヒント
使用頻度が低い食品は持たないようにすると、食品のストックを減らせます。
難しい調味料(過去に1回しか使わなかったなど)は持たないようにしています。お菓子・ジュース・ドレッシングなど、代用できるものや、あまり食べない物はストックを置かず、食べたいときに買いに行くようにしています。
参考:専用洗剤を使わない方法
洗剤はかさばるので、専用の洗剤は使っていません。ある程度の汚れは重曹・クエン酸で落とせます。
豆知識:汚れは反対の性質で中和する(汚れを落とす)
・アルカリ性の汚れは、酸性(クエン酸)
・酸性の汚れは、アルカリ性(重曹)
「水」は中性ですので、酸性・アルカリ性どちらの汚れも落とせますが、汚れが強いと落とせません。
「食器用洗剤」は「中性」が多いです。
・アルカリ性の汚れ:水垢、石鹸カス →クエン酸が◎
・酸性の汚れ:油汚れ、皮脂、手垢など →重曹が◎
このように、汚れの性質と反対の性質の洗剤を使うと、汚れが落ちます。
物は少ないのに散らかってみえる理由
カラフルな物、文字(日本語)が入った物を置いてあると、散らかってみえます。
例えば、洗剤・お菓子・食料品・ペットボトル・リモコン・ティッシュなど、派手な色の物が点在していると、なんとなく散らかって見えます。私は小物は出しっぱなしにせず、収納にいれて見えないようにしています。他に「パーティション」で隠す、ということもしています。
色数を減らすと物が多くても気にならない
物が少なくても、色数が多いと物が多く見えます。近い色味の物で揃えていくと、物の数が多くても、気になりません。カラフルな物には、布をかける・見えない場所に収納すれば、ごちゃついて見えません。
デンマークの一般家庭のインテリアを見ると、ぱっと見はスッキリした部屋に見えますが、よく見ると物が多いことに気づきます。日用品のパッケージも落ち着いた色が多いので色数が少なく、文字はアルファベットなので、物を乱雑に置いてもなんとなく散らかって見えないのだと思います。(イソップの化粧品を複数置いても散らかって見えないと感じるイメージです)
プラスチックとカラーボックスは安っぽく見える
プラスチックの収納ケースやカラーボックスを部屋に置くと、安っぽく見えます。
プラスチックのトレイは引き出しの中で使う、カラーボックスはクローゼットの中で使うなど、見えない場所だけで使うようにすると、部屋の雰囲気がよくなります。
家電もプラスチック製品が多いです。私はプラスチックの家電で目立つ場所に置く物を選ぶときは、「グレー」があればグレーを選ぶようにしています。(白より目立ちにくい気がします)あとは、目立たない場所に置くようにしています。パーティションの中にプリンター、WiFiルーターを置くなど。
木・ガラス・陶器・ステンレス・大理石など、天然の素材を置くようにすると高級感がでます。このとき「木」は、「集成材」より「無垢材」を選ぶと、より高級感が増します。(集成材:木の様々な部分を貼り合わせて作ったもの、無垢材:天然の木を切り出したもの)
本当に必要なのか?を考える
「あったら便利そう」と思って買ったけど、なくてもよかったと思う物もあります。「当たり前」を疑うのも、一つの方法です。あとは「よくわからない物は買わない」です。家電など、最新に飛びつくのではなく、使いこなせないような物は買わないようにしています。
家電に限らず、新しい物を買うときは、「必要なのか、欲しいのか」を考えて選ぶようになると、使わない物が溢れないようになります。
私の家にない物たち
私の家は台所が狭いので、なるべく物を置かないようにしています。台所以外でもない物と代替品を紹介します。意外になくても大丈夫だったという物が多いです。家電が多いとややこしい(配線もごちゃごちゃしがち)ので、電源コードが必要な家電は最低限に留めています。(家電を選ぶときも、機能がシンプルな家電を選んでいます)
- 台所
- 電子レンジ(代替品:せいろ)「せいろ」は電子レンジがあっても使うくらい便利です!
- 炊飯器(代替品:土鍋・鍋)
- トースター(代替品:オーブン)
- 電気ケトル・コーヒーメーカー(代替品:ドリップコーヒー、直火式マキネッタ)
- 三角コーナー
- リビング
- テレビ
- ソファ(一人掛けチェアを使っています。広い部屋に引越したら再検討予定)
- 消耗品
- 〇〇専用洗剤(代替品:重曹・クエン酸・漂白剤)
- 柔軟剤
- 消臭スプレー
- 〇〇マット
- その他
- カラーボックス・本棚・たんす(備え付けの収納に入らない物は持たないようにしています)
- 各部屋のごみ箱(台所のごみ箱に集めています)
- ビニール傘(折りたたみ傘だけを使っています)
- たくさんの下着(上下3着、年に1回買い替えています)
- たくさんのバスタオル(リネンのバスタオル2枚。リネンは10年以上持つそうです。)
物を選ぶときは慎重に
新しいものを選ぶときは、かなり慎重に選んでいます。
例えば、私の家には「電子レンジ」がないので、保存容器にプラスチックの保存容器があっても温めることができません。保存容器だけでも、プラスチック・ガラス・ホーロー・ステンレスと種類があり、ホーローは直火やオーブンが使えますが、電子レンジは使えません。そのため、保存容器を選ぶときは「野田琺瑯」を選んでいます。このように、何をどのように使うかをよく考えて選ぶようにすると、ムダ遣いが減り、ゴミも減り、長く使える愛用品が手元に残るようになると感じています。
まとめ:片付けをするとインテリアが整う
本当に必要な物は少ないです。たくさんの物に、あれもこれもとお金をかけることができませんが、必要な物に絞ると、ひとつひとつの物にお金をかけることができます。お金をかけるということは、真剣に物を選ぶことになり、簡単に捨てることはありません。時間をかけて、こだわって選んだ物が集まると、インテリアが整います。こだわって選んだ物ばかりになると、買い替えることがないので、物にお金を使わなくなります。
「とりあえず」で妥協して選ぼうとしている物は、私は買わないようにしています。「とりあえず」で選んでしまうと、愛着を持てず捨ててしまうからです。「欲しい」と思える物が見つからなければ、見つかるまで気長に待つようになりました。
最後に、インテリアを整えるメリットをまとめます。
- 家が好きになる
- お金が貯まる
- 自分の好みがわかる(自分を知れる)
- 物選びが上達する
- 時間が増える
- ゴミが減る
片付け・整理整頓は、インテリアデザインです。