北欧(デンマーク)デザインのダイニングチェアは数多くあります。その中でも、特に有名で座り心地の良い椅子をデザイナー別にご紹介します。
はじめて北欧家具を選ぶ際にも取り入れやすく、長時間座っても疲れず、ワークチェアとしても使える椅子を選びました。
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Arne Jacobsen(アルネ・ヤコブセン)
Arne Jacobsen(アルネ・ヤコブセン)(1902-1971)は、北欧デザインを代表する建築家・デザイナーです。ヤコブセンの椅子はデンマークの家具ブランド FRITZ HANSEN(フリッツ・ハンセン)が物作りを続けています。
ヤコブセンのダイニングチェアは、座面高さが43cm(日本仕様、アントチェアは44cm)、46cm、48cm(アントチェア、リリーは選択不可)の中から選べます。ヤコブセンがデザインしたダイニングテーブルのシリーズ「スーパー楕円テーブル」と「スーパー円テーブル」の高さは72cmです。テーブルの高さを考えると、椅子の座面高さは43cm(44cm)または46cmが合わせやすいと思います。座面高さ43cmは、身長160cmで足裏がギリギリ届く高さです。
アント | セブン | グランプリ | リリー | |
---|---|---|---|---|
型番 | 3100 | 3107 | 3130 | 3108 |
サイズ(mm) | W520×D510×H770 「高さ」は座面高さ440mm | W500×D520×H790 「高さ」は座面高さ430mm | W480×D510×H800 「高さ」は座面高さ430mm | W490×D540×H800 「高さ」は座面高さ430mm |
座面高さ(mm) | 440 / 460 | 430 / 460 / 480 | 430 / 460 / 480 | 430 / 460 |
備考 | 10脚までスタッキング可能 | 12脚までスタッキング可能 | ウッドレッグはスタッキング不可 スチール脚は5脚までスタッキング可能 | 8脚までスタッキング可能 |
スーパー楕円テーブル
ANT™(アント)(別名:アリンコチェア)(フリッツ・ハンセン)1952年デザイン
ANT(アント)(別名:アリンコチェア)は、フリッツ・ハンセンとヤコブセンが初めてコラボレーションした椅子です。ヤコブセンはチャールズ&レイ・イームズによってデザインされた成型合板の椅子に影響を受け、デザインした椅子が「アント」です。当時フリッツ・ハンセンでは成型合板の製造実績がなく、成型合板の導入にはプレス機が必要となり、開発コストがかかりすぎることを理由に断られていました。しかし、諦められないヤコブセンは、自身が建築した製薬会社Novo Nordisk(ノボ・ノルディスク社)の食堂にアントチェアを提案し、受注に成功します。こうして、アントチェアの受注を得たことでフリッツ・ハンセンを説得し、アントチェアが誕生しました。
脚部は「3本脚」と「4本脚」の2種類から選べます。オリジナルは「3本脚」で、石畳などデコボコした床面に置いたとき3本脚の方が安定するということもあり、デンマークでは3本脚が好まれていたそうです。(アントに限らず、デンマークの椅子には3本脚の椅子があります)ヤコブセンの死後、遺族に許可を得て4本脚がラインナップに加わりました。
アントチェアには、オリジナルであるベニアタイプ(板座)、前面にクッション性のあるフロントパディング仕様の種類があります。
個人的にアントチェアはセブンチェアと比べて一回り小さく、軽く、取り回しやすい椅子であり、忘れらないインパクトのある椅子なので、アントチェアは大好きです。
スペック(3100:3本脚・ベニア仕様)
寸法|W520mm×D510mm×H770mm(「高さ」は座面高さ440mmのもの)
座面の高さ:440mm / 460mm (選択可能)
重量|約3.1kg
備考|10脚までスタッキング可能
Series 7™(セブンチェア)(フリッツ・ハンセン)1955年デザイン
Series 7(セブンチェア)はヤコブセンの椅子の中で、最も有名な椅子です。アントチェア(1952年デザイン)を昇華させた成形合板の椅子が「セブンチェア」です。アントチェアの成功を受けて、「アームチェア」の依頼を受けたことにより、セブンチェアが誕生しました。現在ではセブンチェアといえば、アームなしのスタッキングチェア(3107)を思い浮かべますが、肘掛け付きのアームチェア(3207)がセブンチェアのオリジナルモデルです。
セブンチェアの名前の由来は諸説あり、7枚の合板を2枚の仕上げ板で挟んでいるからという話と、型番「3107」が由来になったとも言われています。
3207モデルは、セブンチェアのオリジナルモデルです。このモデルは、アリンコチェアへの反響に対する答えとして、アルネ・ヤコブセンが1955年にスウェーデンのヘルシンボリで開催された国際見本市、H55で発表したものです。アームチェア仕様の3207は、驚くほど好評を博しました。完璧なサイズ感のアームレストがカーブしたバックレストの輪郭とシームレスに溶け込む一方、椅子の後脚の滑らかなラインを拡張させることで完璧なバランスを備えた、座り心地抜群の椅子が誕生しました。

ベニアタイプ(板座)、クッション性のあるフロントパディング仕様、椅子の全面にパディングを貼ったフルパディング仕様、アーム付き、高さ調整機能およびキャスター付き回転ベース、カウンタースツール、バースツール、子供用サイズ、と幅広いバリエーションがあることからも人気の高さが伺えます。
ダイニングチェア以外にも、パディング仕様は長時間座っても疲れにくいため、ワークチェアとしても使えます。アームなしとアームチェアでは、アームチェアの方が座面に傾斜があり、ゆったり座れます。
スペック(3107:ベニア・パディング・フルパディング仕様)
寸法|W500mm×D520mm×H790mm(「高さ」は座面高さ430mmのもの)
座面の高さ:430mm / 460mm / 480mm(選択可能)
重量|約5kg(フルパディング)
備考|12脚までスタッキング可能


Hans J. Wegner(ハンスJ.ウェグナー)
Hans J. Wegner(ハンスJ.ウェグナー)(1914-2007)は、生涯500脚以上の椅子をデザインした、家具デザイナーです。デザイナーとして活動を始めたころ、アルネ・ヤコブセンの建築プロジェクトに参加し、家具デザインをしています。ウェグナー自身が家具職人(マイスター)でもあるため、建築家であり家具職人ではないヤコブセンとは異なるアプローチをしています。
ハンス J. ウェグナーは、1914年に靴職人を父にデンマークとドイツの国境の町、トゥナーに生まれました。家具職人 H.F スタルベアーグの元で家具を学び、17歳で家具職人の資格を取得。3年後コペンハーゲンに移り、1936年から1938年まで工芸スクールに在籍した後、デザイナーとしての活動を開始しました。
1940年、ウェグナーはアルネ・ヤコブセンとエリック・ムラーが担当する、オーフース市市庁舎の建築プロジェクトに参加し。そこに納める家具をデザインしています。またデニッシュデザイン界に大きな貢献を残した家具工房 ヨハネス・ハンセン社との協働もこの年に始まっています。
CH24(Yチェア)(カール・ハンセン&サン)1950年デザイン
CH24(日本では「Yチェア」の名前が有名)は、ウェグナーがカール・ハンセン&サンから機械で量産できるデザインの依頼を受けてデザインした椅子です。自身がデザインした「チャイナチェア」を元に機械加工ができるデザインにリ・デザインしたことで、チャイナチェアより価格を抑えた椅子となっています。(10分の1の価格です)Yチェア(CH24)の他に、CH22、CH23、CH25の椅子が同時発売されました。
当時のカール・ハンセン&サンは2代目社長ホルガ―・ハンセンのもと「優れたクラフトマンシップと最新の機械加工技術を融合することで、一般市民が手に入れやすい価格の良質で優れたデザインの家具を製作する」を目指し、才能あふれる若きウェグナーに新しいチェアのデザインを依頼、1949年に協働作業が始まります。
機械による生産と上げましたが、全て機械で大量生産ということではなく、100以上の手作業の工程を経て、最後は約150mのペーパーコード(紙紐)を職人の手で編み込みます。ペーパーコードは熟練の職人でも1時間程度の時間がかかります。
デンマーク家具デザインのアイコンチェアCH24 は14の木製パーツと約150mにも及ぶペーパーコードで作られ、金具を使わずに100以上の手作業の工程を経て完成します。欧米ではその特徴的な背もたれの形が、鳥の胸と首の間にある骨に似ていることからWISHBONE CHAIRと呼ばれますが、日本では一般的にYチェアの愛称で親しまれています。
ビーチ×ソープ仕上げ(座面高さ45cm)
オリジナルのYチェアは座面高さが430mmです。現在(2016年以降)はEU規格サイズ450mmが標準サイズとなっていますが、430mmの座面高さを選ぶこともできます。身長160cmで座面高さ430mmはギリギリ足裏がぴったり届くサイズ感です。
Yチェアは取り扱い店が多く、有名な店舗ではアクタス、IDC、ザ・コンランショップなど。カール・ハンセン&サンのフラグシップストアは、東京・大阪(南堀江)の2拠点に直営店があります。
Yチェアには多数ラインナップがあり、選ぶことに悩んでしまいます。定番は「ビーチ×ソープ」と「オーク×ソープ」です。
木の種類 | ビーチ | オーク | チーク | ウォルナット |
---|---|---|---|---|
特徴 | 木目が細く薄い 明るい色 | 木目が強い 木目の模様はぼんやり | 木目が強い 濃い色合い(赤みがある) | 木目が強い 濃い色合い(茶系) |
仕上げ | ソープ・オイル | ソープ・オイル ホワイトオイル・ スモークドオイル | オイル | オイル |
ソープ仕上げとオイル仕上げでは、肌触り、質感、経年変化が異なります。
- ソープ仕上げ:
石鹸を用いた仕上げで、無塗装に限りなく近い仕上げです。
木肌の色・質感、そのものの肌触りです。
明るい木の色(白い)が好きな方には、ソープ仕上げがおすすめです。
石鹸で仕上げる理由は色々ありますが、石鹸に含まれる油分が、木を保護する役割となっています。 - オイル仕上げ:
経年変化を楽しみたいときには、オイル仕上げの方が強い色味が出ます。
オイルを染み込ませているため、ソープと比べ濃い色合いになります。
オイルもソープ仕上げと同様に、オイルが木を保護する役割となっています。
ソープ仕上げ、オイル仕上げとも、年に数回(1回〜2回)のお手入れが目安です。お手入れができるということは、汚れても気軽に洗え、経年変化を楽しめる家具です。
スペック
寸法|W550×D510×H760(「高さ」は座面高さ450mmのもの) アームの高さ:700mm
座面の高さ:430mm(オプション)/450mm(標準サイズ)
備考|座面高さのオリジナルは430mm 欧米人の体格が大きくなったことにより、450mmが標準サイズ
450mmを430mmに脚カットしたYチェアと、430mmでは、座面高さは同じでも脚の太さが異なります
2016年3月世界サイズの標準化に伴い、EU規格サイズ450mmが標準サイズとなり、430mmはオプション選択となっています。
参考元:カール・ハンセン&サン
座面高さ(SH:シートハイ)の選択は注意です。気になる点はショップに確認することをおすすめします。


PP701 ミニマルチェア(PPモブラー)1965年デザイン
ウェグナーの自邸でダイニングチェアとして使うためにデザインした椅子が「PP701(ミニマルチェア)」です。当時、ウェグナー自身は製品化は考えていなかったそうです。スチールを用いたことで非常に軽く、約4kg以下に感じました。(カタログでは公開されていません)スチールは職人の手作業により、表面を磨き上げており、光沢が抑えられています。PP518(ブルチェア)(1961年デザイン)をリ・デザインし、簡素化しスチールに落とし込んだ椅子がPP701です。
PP701は4つの無垢材を組み合わせて、中央部に十字型の「ちぎり」といわれるパーツで接着しており、職人の高度な技術が必要な構造になっています。特徴的な十字形は、4つの材を繋げるためのパーツをあえて見せることで、木材の美しさを際立たせます。
ミニマル チェアは、最小限の木材の使用で背中を適切にサポートすることを目指しています。樹齢約 100 年の木から切り出された 1¾ インチの厚板から 4 つの無垢材が切り出されています。左右のアームレストと、中央下部と上部のセクションは、互いに一直線にカットされ、ペアになっています。
The Minimal Chair seeks to provide an adequate support for the back with the minimum use of wood. Four pieces of solid wood are carved from 1¾ inch planks cut from trees around 100 years old. The right and left armrests and the lower and upper centre sections are cut in line of one another and paired.
PP701は座り心地だけでいえば「PP68/58」より正直劣ります。ただ、PP701のデザインから選ぶ人が多く、PP701はとても人気の高い椅子です。
ウェグナーの自邸
ウェグナーは自邸のダイニングチェアとして迎え入れ、その後40年間ダイニングチェアを替えなかったということからも、お気に入りだったことが伺えます。ウェグナー夫人も「一番好きな椅子」に選んでいます。
PP701のバリエーションは、木の種類・仕上げ・レザー(張地)を選ぶことができます。座面レザーはブラックが人気ですが、他の張地からも選べます。木の種類に応じて、中央部の十字形(ちぎり)の木種の組み合わせが決まります。オーク・アッシュのちぎりは【ローズウッド】(濃い色合い)、ウォルナットのような濃い木種のちぎりは【メープル】(明るい色合い)です。
木の種類 | アッシュ | オーク | ウォルナット |
---|---|---|---|
特徴 | 木目が強い 木目の模様がはっきり 明るい色 | 木目が強い 木目の模様はぼんやり | 木目が強い 濃い色合い |
仕上げ | ソープ | ソープ・オイル | オイル |
ソープ仕上げとオイル仕上げでは、肌触り、質感、経年変化が異なります。
- ソープ仕上げ:
石鹸を用いた仕上げで、無塗装に限りなく近い仕上げです。
木肌の色・質感、そのものの肌触りです。
明るい木の色(白い)が好きな方には、ソープ仕上げがおすすめです。
石鹸で仕上げる理由は色々ありますが、石鹸に含まれる油分が、木を保護する役割となっています。 - オイル仕上げ:
経年変化を楽しみたいときには、オイル仕上げの方が強い色味が出ます。
オイルを染み込ませているため、ソープと比べ濃い色合いになります。
オイルもソープ仕上げと同様に、オイルが木を保護する役割となっています。
ソープ仕上げ、オイル仕上げとも、年に数回(1回〜2回)のお手入れが目安です。お手入れができるということは、汚れても気軽に洗え、経年変化を楽しめる家具です。
スペック
寸法|W630×D460×H680(「高さ」は座面高さ430mmのもの)
座面の高さ:430/450mm アーム高さ:650mm
備考|納期2週間〜3週間(国内在庫が欠品時除く)
4脚までスタッキング可能
参考元:PPモブラー

PP68/58 ファイナルチェア(PPモブラー)1987年デザイン
PP68/58は、生涯で500脚以上デザインしたウェグナーが73歳のとき、最後にデザインしたアームチェアがPP68/58です。「ファイナルチェア」や「ラストダイニングチェア」とも呼ばれています。ウェグナーはPP68/58をデザインした後、デザイナーを引退しました。PP68/58は、ウェグナーのダイニングチェアの中で一番オススメしたい椅子です。
本当に快適で、実用的、丈夫で、耐久性があり、手頃な価格の椅子として、この椅子は、優れた職人技と適切な人間工学のアイデアに基づいてウェグナーが 40 年にわたって進化させてきた丸い背もたれのアームチェアのラインの完結編です。
As a genuinely comfortable, practical, strong, durable and affordable chair, it concludes the line of round back arm chairs that Wegner evolved through four decades based on ideas of good craftsmanship and proper ergonomics.
PP68/58は、PP62/52(1975年デザイン)をリ・デザインし、特徴的なアームは一本の無垢材を蒸気で曲げています。この蒸気曲げを機械で曲げることに成功したため、価格が抑えられています。高価な家具が多い世界最高峰のPPモブラーが作る家具の中で、最も手に入れやすい椅子がPP68/58です。私はどことなく、ボーエ・モーエンセンのJ39に似た雰囲気を感じます。
引用元:CONNECT PP58(ビーチ材・ソープ仕上げ)
PP68の座面はペーパーコード、PP58はレザー。他にも脚周りのデザインが少し異なります。
PPモブラーの中で価格が抑えられている椅子ということもあり、Yチェアほどではありませんが、展示している店舗は多いです。有名な店舗ではアクタス、IDC、ザ・コンランショップなど。展示有無の確認は必要です。
東京(南青山)では、PPモブラーの総代理店であるスカンジナビアン・リビング東京のショールームがあります。来店予約は必要です。
PP68/58は、木の種類・仕上げを選べます。「オーク×ソープ仕上げ」が人気です。ウェグナーも「オーク」が好きだったそうです。PPモブラーのテーブルは「オーク」と「アッシュ」の2種類ということから、同じ木材で合わせられる「オーク」「アッシュ」は選びやすいです。
木の種類 | ビーチ | アッシュ | オーク |
---|---|---|---|
特徴 | 木目が細く薄い 明るい色 | 木目が強い 木目の模様がはっきり 明るい色 | 木目が強い 木目の模様はぼんやり |
仕上げ | ソープ・オイル | ソープ・オイル | ソープ・オイル・ブラック塗装 |
ソープ仕上げとオイル仕上げでは、肌触り、質感、経年変化が異なります。
- ソープ仕上げ:
石鹸を用いた仕上げで、無塗装に限りなく近い仕上げです。
木肌の色・質感、そのものの肌触りです。
明るい木の色(白い)が好きな方には、ソープ仕上げがおすすめです。
石鹸で仕上げる理由は色々ありますが、石鹸に含まれる油分が、木を保護する役割となっています。 - オイル仕上げ:
経年変化を楽しみたいときには、オイル仕上げの方が強い色味が出ます。
オイルを染み込ませているため、ソープと比べ濃い色合いになります。
オイルもソープ仕上げと同様に、オイルが木を保護する役割となっています。
ソープ仕上げ、オイル仕上げとも、年に数回(1回〜2回)のお手入れが目安です。お手入れができるということは、汚れても気軽に洗え、経年変化を楽しめる家具です。


PP58は選べるレザーの種類も豊富です。掲載されていないレザーも多いので、取り扱い店舗に確認すると教えてもらえます。レザーも経年変化します。特に薄い色(ナチュラルレザー)は飴色に変化しますので、経年変化についても確認すると教えてもらえます。

スペック
寸法|PP68 W580×D470×H720/700 アームの高さ:680/660 座面高さ:440mm/420mm
PP58 W580×D480×H720/700 アームの高さ:680/660 座面高さ:440mm/420mm
材質|ビーチ/オーク/アッシュ 仕上げ:ソープ/オイル/ホワイトオイル/ブラック仕上げ
座面|(PP68)ペーパーコード/(PP58)レザー
備考|納期2週間〜3週間(国内在庫が欠品時除く)
参考元:スカンジナビアンリビング


Borge Mogensen(ボーエ・モーエンセン)
Borge Mogensen(ボーエ・モーエンセン)(1914-1972)は、庶民のための機能的な家具デザインを考え続けたデザイナーです。デンマークで「ピープルチェア」という愛称で呼ばれている椅子はモーエンセンの「J39」です。
J39(Shaker Chair)(フレデリシア)1947年デザイン
J39(モーエンセンチェア)は、デンマーク国内で最も親しまれているダイニングチェアです。1947年に発表されてから、一度も途絶えることなく、作り続けられているベストセラーです。当時はFDBモブラーで作られていました。現在は、デンマークの家具ブランドFREDERICIA(フレデリシア)が製造を続けています。高級家具ブランドのフレデリシアの中で、価格が抑えられている椅子であり、長時間座っても疲れない、デンマークのロングセラーチェアです。
当時はまだ装飾的な家具が主流だったころ。モーエンセンは、使う場所を選ばず、どんな人でも使いやすく、さらに製造工程にも無駄がでないようにと、機能性を極めた構造を考案します。戦後間もない時代背景もあり、丈夫で軽くて、美しく、かつ買いやすい、機能的なデザインは、都市部の限られた居住スペースで暮らす人々を中心に人気を集め、その耐久性からカフェやレストラン、公共施設などにも数多く導入されるようになりました。
J39は家具ブランドFREDERICIA(フレデリシア)のラインナップの中で、特別な椅子です。
J39は「ピープルチェア」と呼ばれ、デンマークの国民椅子と言われていることからも、普通の人が手に入れられるモーエンセンの椅子を作り続けるという使命をフレデリシアから感じます。
座り心地はとても良く、長時間座っても疲れません。PP68に似た座り心地です。アームがないことと、サイズ感がコンパクトということもあり、小ぶりなテーブルにも合わせやすい椅子です。大きさとしては、アントチェア・セブンチェアより小ぶりなサイズです。座面高さは、46cmとやや高めですが、購入店経由で脚カット(43cm)の依頼ができます。
実物を見たいときには、有名な店舗ではアクタス、IDC、ザ・コンランショップなど。北欧家具の取り扱いがある店舗では、比較的多く展示している印象ですが、問い合わせは必要です。
J39 スペック
サイズ|W490×D440×H780 座面高さ:460mm(脚カットは可能)
座面|ペーパーコード
材質|ビーチ/オーク
備考|納期2週間〜3週間(国内在庫が欠品時除く)
J39(ビーチ材・ソープ仕上げ)
J39(オーク材・ソープ仕上げ)
J39(オーク材・ソープ仕上げ)
J39(オーク材・オイル仕上げ)
定番ラインナップは、木の種類がビーチ材とオーク材、仕上げはソープ仕上げとオイル仕上げの計4種類です。明るい椅子は「ビーチ×ソープ仕上げ」が一番色白な椅子です。
木の種類 | ビーチ | オーク |
---|---|---|
特徴 | 木目が細く薄い 明るい色 | 木目が強い 木目の模様はぼんやり |
仕上げ | ソープ・ラッカー | ソープ・オイル |
ソープ仕上げとオイル仕上げでは、肌触り、質感、経年変化が異なります。
- ソープ仕上げ:
石鹸を用いた仕上げで、無塗装に限りなく近い仕上げです。
木肌の色・質感、そのものの肌触りです。
明るい木の色(白い)が好きな方には、ソープ仕上げがおすすめです。
石鹸で仕上げる理由は色々ありますが、石鹸に含まれる油分が、木を保護する役割となっています。 - オイル仕上げ:
経年変化を楽しみたいときには、オイル仕上げの方が強い色味が出ます。
オイルを染み込ませているため、ソープと比べ濃い色合いになります。
オイルもソープ仕上げと同様に、オイルが木を保護する役割となっています。
ソープ仕上げ、オイル仕上げとも、年に数回(1回〜2回)のお手入れが目安です。お手入れができるということは、汚れても気軽に洗え、経年変化を楽しめる家具です。
J39は2022年で75周年を迎えました。これからもJ39を作り続けるため、新たなカラー展開が追加されました。
Pebble grey(ぺブルグレー)/ビーチ材・ラッカー仕上げ
Heritage red(ヘリテイジレッド)/ビーチ材・ラッカー仕上げ
Indigo blue(インディゴブルー)/ビーチ材・ラッカー仕上げ
Khaki green(カーキグリーン)/ビーチ材・ラッカー仕上げ
Beech Vintage lacquered(ビーチビンテージラッカー)/ビーチ材・ラッカー仕上げ
J39 スペック
サイズ|W490×D440×H780 座面高さ:460mm(脚カットは可能)
座面|ペーパーコード
材質|ビーチ/オーク
備考|納期2週間〜3週間(国内在庫が欠品時除く)
Poul Kjærholm(ポール・ケアホルム)
Poul Kjærholm(ポール・ケアホルム)(1929-1980)は、デンマーク家具のデザイナーの中でも異質な存在です。木製中心の家具が多い中、金属製の家具デザインを得意としました。特に「バウハウス」から影響を受けたと言われています。美術工芸学校時代にハンスJ.ウェグナーに師事し、ウェグナーの事務所で非常勤所員として働きました。ケアホルムはステンレススチールの家具を多く手がけましたが、晩年には木製家具もデザインしています。
PK1(カール・ハンセン&サン)デザイン1955年
PK1(ステンレススチール)
1955年、ケアホルムが初めてダイニングチェアをデザインしたのが「PK1」です。オリジナルは藤張りで、座面の高さが39cmと低い椅子でしたが、カール・ハンセン&サンより「ペーパーコード」仕様、座面の高さが47cmの現代版として復刻されました。オリジナルはE.コル・クリステンセンにより製造され、ケアホルムの死後はPPモブラーが引き継ぎ、現在はカール・ハンセン&サンにより製造が続いています。
約180mのペーパーコードを15時間手作業で編み込んで作られています。座っていくうちにペーパーが緩み、座り心地が良くなります。
脚のフレームは「ステンレススチール」と「ブラックスチール」の2色バリエーションがあり、オリジナルは「ステンレススチール」でした。
実物を見たいときには、有名な店舗ではアクタス、IDC、ザ・コンランショップなど。カール・ハンセン&サンのフラグシップストアは、東京(2024/9移転のため終了。2024/12より移転先で営業開始予定)・大阪(南堀江)の2拠点に直営店があります。北欧家具の取り扱いがある店舗では、比較的多く展示している印象ですが、問い合わせは必要です。
スペック
寸法|W506×D515×H770 座面の高さ:47cm
備考|4脚までスタッキング可能
納期2週間〜3週間(国内在庫が欠品時除く)

Cecilie Manz(セシリエ・マンツ)
Cecilie Manz(セシリエ・マンツ)(1972-)は、現在最も有名なデンマーク人デザイナーです。陶芸家の両親のもとに生まれ、幼少期には日本(佐賀県有田)に数ヶ月滞在したこともあり、日本とも縁の深い人物です。デンマークの家具ブランドに留まらず、世界中のブランドと多くのコラボレーションを行い、多くの受賞歴を誇ります。
シンプルで本質的なデザインが特徴のセシリエ・マンツデザインは、置いてあるだけで絵になるプロダクトです。
WORKSHOP CHAIR(ムート)
WORKSHOP CHAIR(ワークショップチェア)は、デンマークの家具ブランドMuuto(ムート)のプロダクトです。ムートは2006年に設立された家具ブランドで、現役デザイナーを積極的に起用し、新しい北欧デザインの提案を続けているブランドです。
ワークショップチェアは、「自由にデザインしていい」という企画で、「自分にとってすばらしい椅子」をつくると決めてデザインしたとセシリエは語っています。
「2016年にミラノで開催されたデンマークデザインのグループ展、MINDCRAFTのためにデザインしたものです。自由にデザインしていいという企画だったので、私は『自分にとってすばらしい椅子』をつくると決め、2週間これだけに集中しました。その途中でMuutoの当時のデザインディレクターが私の工房を偶然訪れ、とても気に入ってくれて、その場でMuutoで出すと決めたのです。展示した椅子はほぼそのまま製品になりました。まるでお伽話のようなストーリーです」。 通常の椅子は、メーカーとの会議やリサーチを重ね、スケッチを描いてから試作を繰り返し、製品化までに2年以上の月日を要するとマンツは言います。
ワークショップチェアは、他のダイニングチェアと比べて、コンパクトであることが特徴です。例えば、PostChair(ポストチェア)の横幅は54cm。ENチェアの横幅は50cm。ワークショップチェアは、横幅40cmとコンパクトです。小ぶりなサイズなので、小さいテーブルと合わせることもできます。
ワークショップ チェア スペック
寸法|W400xD460xH790 座面の高さ:450mm
備考|納期2週間〜3週間(国内在庫が欠品時除く)
