アルネ・ヤコブセンのダイニングチェア

デンマークで最も有名な建築家・家具デザイナーArne Jacobsen(アルネ・ヤコブセン)
ヤコブセンがデザインした「セブンチェア」「エッグチェア」は、北欧デザインのアイコンです。ヤコブセンはセブンチェア以外にも、ダイニングチェアをデザインしています。デザイン年の順にご紹介します。

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目次

Arne Jacobsen(アルネ・ヤコブセン)

Arne Jacobsen(アルネ・ヤコブセン)(1902-1971)は、北欧デザインを代表する建築家・デザイナーです。ヤコブセンの椅子はデンマークの家具ブランド FRITZ HANSEN(フリッツ・ハンセン)が物作りを続けています。

フリッツ・ハンセンは、アルネ・ヤコブセンとポール・ケアホルムが看板デザイナーです。ケアホルムは死後、フリッツが家具ライセンスを取得していますが、ヤコブセンの家具はフリッツとのコラボレーションにより、生まれたデザインです。

ヤコブセンのダイニングチェアは、座面高さが43cm(日本仕様、アントチェアは44cm)、46cm、48cm(アントチェア、リリーは選択不可)の中から選べます。ヤコブセンがデザインしたダイニングテーブルのシリーズ「スーパー楕円テーブル」と「スーパー円テーブル」の高さは72cmです。テーブルの高さを考えると、椅子の座面高さは43cm(44cm)または46cmが合わせやすいと思います。座面高さ43cmは、身長160cmで足裏がギリギリ届く高さです。

アントセブングランプリリリー
型番3100310731303108(アームなし)
サイズ(mm)W520×D510×H770
「高さ」は座面高さ440mm
W500×D520×H790
「高さ」は座面高さ430mm
W480×D510×H800
「高さ」は座面高さ430mm
W490×D540×H800
「高さ」は座面高さ430mm
座面高さ(mm)440 / 460430 / 460 / 480430 / 460 / 480430 / 460
スタッキング
(アームなし)
10脚までスタッキング可能12脚までスタッキング可能ウッドレッグはスタッキング不可
スチール脚は5脚までスタッキング可能
8脚までスタッキング可能
サイズ比較表

ANT™(アント)(別名:アリンコチェア)(フリッツ・ハンセン)1952年デザイン

ANT(アント)(別名:アリンコチェア)は、フリッツ・ハンセンとヤコブセンが初めてコラボレーションした椅子です。ヤコブセンはチャールズ&レイ・イームズによってデザインされた成型合板の椅子に影響を受け、デザインした椅子が「アント」です。当時フリッツ・ハンセンでは成型合板の製造実績がなく、成型合板の導入にはプレス機が必要となり、開発コストがかかりすぎることを理由に断られていました。しかし、諦められないヤコブセンは、自身が建築した製薬会社Novo Nordisk(ノボ・ノルディスク社)の食堂にアントチェアを提案し、受注に成功します。こうして、アントチェアの受注を得たことでフリッツ・ハンセンを説得し、アントチェアが誕生しました。

脚部は「3本脚」と「4本脚」の2種類から選べます。オリジナルは「3本脚」で、石畳などデコボコした床面に置いたとき3本脚の方が安定するということもあり、デンマークでは3本脚が好まれていたそうです。(アントに限らず、デンマークの椅子には3本脚の椅子があります)ヤコブセンの死後、遺族に許可を得て4本脚がラインナップに加わりました。

アントチェアには、オリジナルであるベニアタイプ(板座)、前面にクッション性のあるフロントパディング仕様の種類があります。

個人的に、アントチェアはセブンチェアと比べて一回り小さく、軽く、取り回しやすい椅子であり、忘れらないインパクトのある椅子なので、アントチェアは大好きです。

スペック(3100:3本脚・ベニア仕様)
寸法|W520mm×D510mm×H770mm(「高さ」は座面高さ440mmのもの)
   座面の高さ:440mm / 460mm (選択可能)
重量|約3.1kg
備考|10脚までスタッキング可能

Series 7™(セブンチェア)(フリッツ・ハンセン)1955年デザイン

セブンチェア(フルパディング・ラーバ)

eries 7(セブンチェア)はヤコブセンの椅子の中で、最も有名な椅子です。アントチェア(1952年デザイン)を昇華させた成形合板の椅子が「セブンチェア」です。アントチェアの成功を受けて、「アームチェア」の依頼を受けたことにより、セブンチェアが誕生しました。現在ではセブンチェアといえば、アームなしのスタッキングチェア(3107)を思い浮かべますが、肘掛け付きのアームチェア(3207)がセブンチェアのオリジナルモデルです。
セブンチェアの名前の由来は諸説あり、7枚の合板を2枚の仕上げ板で挟んでいるからという話と、型番「3107」が由来になったとも言われています。

3207モデルは、セブンチェアのオリジナルモデルです。このモデルは、アリンコチェアへの反響に対する答えとして、アルネ・ヤコブセンが1955年にスウェーデンのヘルシンボリで開催された国際見本市、H55で発表したものです。アームチェア仕様の3207は、驚くほど好評を博しました。完璧なサイズ感のアームレストがカーブしたバックレストの輪郭とシームレスに溶け込む一方、椅子の後脚の滑らかなラインを拡張させることで完璧なバランスを備えた、座り心地抜群の椅子が誕生しました。

引用元:フリッツ・ハンセン セブンチェア(3207)

フルパディング(エッセンシャルレザーラーバ)

ベニアタイプ(板座)、クッション性のあるフロントパディング仕様、椅子の全面にパディングを貼ったフルパディング仕様アーム付き高さ調整機能およびキャスター付き回転ベースカウンタースツール、バースツール子供用サイズ、と幅広いバリエーションがあることからも人気の高さが伺えます。

ダイニングチェア以外にも、パディング仕様は長時間座っても疲れにくいため、ワークチェアとしても十分使えます。アームなしとアームチェアでは、アームチェアの方が座面に傾斜があり、ゆったり座れます。

スペック(3107:ベニア・パディング・フルパディング仕様)
寸法|W500mm×D520mm×H790mm(「高さ」は座面高さ430mmのもの)
   座面の高さ:430mm / 460mm / 480mm(選択可能)
重量|約5kg(フルパディング)
備考|12脚までスタッキング可能

GRAND PRIX™(グランプリチェア)(フリッツ・ハンセン)1957年デザイン

GRAND PRIX(グランプリチェア)はヤコブセンの椅子では珍しい、ウッドレッグです。ミラノトリエンナーレで最高賞を受賞したことから、「グランプリチェア」と名付けられました。脚部は、オリジナルのウッドレッグ脚スチール製高さ調整機能およびキャスター付き回転ベースカウンタースツールバースツールから選べます。

スペック(モデル:4130)
寸法|W480×D510×H800(「高さ」は座面高さ430mmのもの)
   座面の高さ:430mm / 460mm / 480mm(選択可能)
重量|約4.9kg(ウッドレッグ)
備考|ウッドレッグ仕様はスタッキング不可

LILY™(リリー)(フリッツ・ハンセン)1970年デザイン

LILY(リリー)(別名:エイトチェア)は、ヤコブセンが最後にデザインした椅子です。デンマーク国立銀行のためにデザインされた椅子で、ヤコブセンの集大成と言われています。製造難易度があまりに高く、製品化されたものの数年で廃盤となり、長らくフリッツ・ハンセンで製造されることはありませんでした。2007年に復刻し、現在に至ります。

リリー

愛称「リリー」は「百合(ゆり)」を意味します。後ろ姿から百合を連想させるデザインで、直線がなく、有機的な曲線が特徴です。どの姿勢で座っても疲れず、アント・セブン以上に「しなり」ます。リリーはアームチェアが有名ですが、ダイニングチェアとしては、アームなしチェアの方が軽くて使いやすいです。ワークチェアとしては、アームチェアの方が長時間座っても疲れません。

スペック(モデル:3108 アームなし)
寸法|W490×D540×H800(「高さ」は座面高さ430mmのもの)
   座面の高さ:430mm / 460mm (選択可能)
備考|8脚までスタッキング可能

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この記事を書いた人

システムエンジニア(SE)歴20年。
SEならではの仕様調査と実機レビュー(実際に使ってみての使用感)で、論理的にわかりやすい記事作りを心がけています。

家に居ることが大好きで、もっと暮らしやすい空間を作りたいと思い、インテリアを調べていく中で、北欧家具に出会えました。

北欧インテリアブランド(ルイスポールセン、フリッツ・ハンセン、PPモブラーなど)を中心に、本当に良いと思ったモノだけを紹介しています。

好きなデザイナーは、ポール・ケアホルム、セシリエ・マンツ
シンプルなデザインの中に、どこか柔らかさがあるデザインが好きです。

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