ラジオハウスペンダントは、1945年に建築家のVilhelm Lauritzen(ヴィルヘルム・ラウリッツェン)によりデザインされました。1874年に創業したデンマークの照明ブランドLouis Poulsen(ルイスポールセン)により、作られています。
「VL」は「ヴィルヘルム・ラウリッツェン」のアルファベットで、「45」はデザインした年(1945)になっています。
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全体発光で明るさもありながら眩しくない

ラウリッツェンの代表建築、デンマーク放送局(ラジオハウス)の設計とともにデザインされた照明です。
天井の高い商業施設に取り付ける前提だったため、電球の交換を簡単に行えるように、シェードの下(ガラス開口部)は手が入るくらいに開いています。全体発光ですが、ガラス開口部があるので、下方向に直接光も放ちます。三層吹きガラスシェードは、乳白色をハンドしたシェードとなっており、内部の電球を見せることなく、全体発光の照明として強い明るさがあります。
強い明るさがありますが、ガラスシェードですので、柔なかな光を感じます。調光することで、明るさを下げ、夜間照明としても美しいです。
経年変化(真鍮)
真鍮のサスペンションと、三層吹きガラスシェードのシンプルな構成で、真鍮部分は経年変化で酸化して渋くなっていきます。経年変化を楽しめるのも、無塗装の真鍮ならではの楽しみです。
明るさを変えてみる


スマートライト(Hue)を取り付けることで、調光・調色ができます。写真は10%と100%の明るさです。明るさの調整ができるので、夜間に常夜灯して点けていると、幻想的な雰囲気を楽しめます。
ダイニング以外にも、デスク、玄関、廊下など、場所を問わず使えます。玄関・廊下に吊るすときは、壁際の角に吊るすと明るさが広がります。シェードに深さがあるので、高い位置に吊っても光源が目に入りません。
サイズと適合電球
サイズは大・中・小の3サイズ展開です。職人の手作りによる吹きガラスのため、厚みや重量に多少のばらつきがあります。スマートライトとしては、Hueが適合電球となっており、Hueを取り付けることで調光・調色が可能です。
サイズ | 370 | 250 | 175 |
---|---|---|---|
幅×高さ ※高さは真鍮部分は含みません | Φ370×H370 | Φ250×H246 | Φ175×H171 |
重さ | 約3.8kg | 約1.7kg | 約1kg |
電球 | E26 | E26 | E17 |
Hue |
適合電球は、ルイス・ポールセン公式サイトの「適合電球リスト」(TOP画面の一番下にリンクがあります)から確認ができます。

多灯吊り

同じサイズを並べたり、サイズ違いを高さ違いに吊っても美しい照明です。写真は、中(Φ250)・小(Φ175)を高さ違いで並べています。中と小の長さは5cm、小の方を短く吊っています。(中と小を同じ高さで吊っていないので、揺れてもシェード同士がぶつかることはありません。)
2灯吊りをするときは「ダクトレール」(「ライティングレール」とも呼ばれます)が必要です。回転できる商品がおすすめです。ダクトレールの「耐荷重」も調べた上で商品を選びましょう。
※山田照明 TG-471(180°の範囲で回転可能)を使っています。
一番大きいサイズ(Φ370)は、重量が3.8kgですので、大をダクトレールで2灯吊りは耐荷重オーバーになる可能性が高いです。ボリュームのあるペンダントですので、1灯でかなり明るさを感じられます。

眩しくない照明の高さ

少し高い位置に吊っても眩しくない
ダイニングテーブルの上の照明は、テーブルトップから55cm〜65cmの位置が目安とされています。
写真では、中(Φ250)はテーブルトップから60cmの位置、小(Φ175)は89cmの位置に吊っています。小(Φ175)はかなり高い位置に吊っていますが、座っていて光源が気になる(覗き込まない限り、電球は見えません)ことはありません。
後悔していること
テーブルトップからジャストサイズで加工を依頼した結果、長めにすればよかったと思ってますので、以降のコード加工についても、ご一読ください。
コード加工は長めがオススメ
標準コード(コード加工前の全長)は、全長約174cm〜約186cm(サイズによって異なる)となります。「全長」とは、コード+照明本体を含めた長さのことです。
私はコード加工をぴったりの長さで依頼をしましたが、コードは長めにすればよかったと後悔しています。具体的には、中サイズは標準全長174cmを112cmにカット、小サイズは標準全長182cmを83cmにカット依頼しました。天井の高さから(テーブルトップの高さとダクトレールの高さを差し引いて)「全長」を計算し、ぴったりの長さでコード加工を依頼しました。しかし、ぴったりの長さでは、引っ越して天井の高さが変わったり、別の場所で照明を使いたいと思った際に、コードの長さが足りなくなります。
照明は実際に吊るしてみないとわからない部分も多く、器具によって照らされる範囲や、自分好みの高さが変わります。ペンダントライトをいくつか試した結果、標準コードでジャンピングする、またはカット加工を依頼する場合でも長めにしておき、コードハンガーなどで調整する方針に切り替えました。
正規代理店に確認したところ、購入後にコード長さを再加工してもらうことは可能とのことでしたので、将来的に依頼する予定です。
コードの長さや設置方法で悩んだ際は、プロの販売店に相談するのが適切だと思います。
事前情報がない状態で問い合わせをするよりも、少しでも知識を持った上で相談した方がスムーズです。そのため、参考までにコード調整(ジャンピングの方法)を記載しましたので、ご活用ください。
天井照明は必要最小限にすると、心地よい空間になる
テーブル上のペンダントライト以外、天井照明は不要だと考えています。
ダイニングテーブルのペンダントライトにVL45を設置すると、全体発光のため部屋全体がじんわりと明るくなります。VL45の明るさで足りない部分があれば、明るさを補いたい箇所にフロアライトを追加すると、心地よい空間を作ることができます。一方で、明るさが足りないからといって、シーリングライトやダウンライトを点けると、明るくなりすぎてしまい、リラックスできる空間にはなりません。
低い位置からの光は夕日が沈む光と同じ状態を作り出し、リラックスを促します。一方、高い位置からの光は光刺激によって覚醒を促すため、日中の活動時間帯にはスイッチが入り、仕事や勉強に集中しやすくなります。ただし、夕方以降も日中と同じ明るさではリラックスできません。夜はやさしい光を浴びるために、調光・調色が可能な電球を使うと、より快適な空間が生まれます。特に、就寝前に暗めの電球色で過ごすと、寝付きが良くなります。
2025年2月 新色AMBER(琥珀色)・ペールローズ
引用元:ラ・ヴィータ
AMBER(アンバー)
新色として、オリジナルデザインのホワイトにアンバー色(琥珀色)のガラスを加えたモデルがリリースされました。オリジナルは乳白色の3層吹きガラスですが、アンバーは4層構造となっており、中間層にアンバーと乳白色が挟み込まれています。

引用元:ラ・ヴィータ
オリジナル(乳白色)とアンバー(琥珀色)ではっきり違いが出るときは消灯状態です。オリジナルは乳白色に対し、アンバーは点灯時以上に琥珀色が際立ちます。
引用元:ラ・ヴィータ
アンバーと同じく4層吹きガラスの「ペール・ローズ」がリリースされました。(2024年にルイス・ポールセン150周年限定モデルとして販売。2025年より取扱店での販売開始)
消灯時はよく見ると淡いピンク色がわかるくらいの薄い色合いで、点灯時の方がピンク色がわかりやすいです。淡いピンク色は上品なシェードで、ピンクとはいえ合わせやすいシェードです。
ルイス・ポールセンのフランジカバー

「フランジカバー」とはプラグを隠すためのカバーです。ルイスポールセンのフランジカバーは、2枚に割れる仕様(2枚のフランジカバーでコードを挟み込む仕様)になっています。数センチのコードを巻いていれることはできる程度のカバーサイズです。

ラジオハウスペンダントに付属するカバーは「ホワイト」です。フランジカバーは不要であれば取り外しできます。フランジカバーは少しずつ下がってくるので、気になるようでしたら、外してもよいと思います。
お手入れ
日常では汚れ(主にホコリ)が気になったときに、乾拭きします。
真鍮に素手で触れると、指紋がつくことがありますので、直接手で触れないようにします。指紋がついても、時間が経過すると目立たなくなりますので、あまり気にしなくても大丈夫です。(手袋が付属されています。)
ガラス部分に強いよごれがある場合、やわらかい布を中性洗剤に浸し、よくしぼってふきとり、乾いたやわらかい布で仕上げます。キッチン近くに設置する場合、油が付着することもあるので、しっかり汚れを落とせるガラスシェードは扱いやすいです。
購入方法
ルイスポールセンの「正規販売店」から購入することをおすすめします。
購入の際はコード長さ、テーブルサイズに合ったベストサイズ(3種類のサイズ)も相談ができますので、心配事は質問をしてみるのも一つの手です。永く使う照明ですので、ゆっくり選ぶことをおすすめします。
COLUMN
VL45を選んだ理由
自宅にある照明で、最も古いデザインがVL45(1945年)です。
ENラウンドテーブル(2022年デザイン)と、VL45を合わせていますが、新しいデザインと古いデザインがしっくり馴染み、VL45の古さを感じさせないデザインに驚きました。
「照明計画」はシンプルに「暗い」と感じた場所に照明を配置しています。「暗い」と感じる場所は、たいていは部屋の角際ですので、部屋の角にフロアスタンドやデスクライトを配置しています。角に照明を配置すると、壁面に光が反射することで部屋全体の明るさが増します。
明るさを足していった結果、下向き照明が多く、部屋全体を明るさを上げる照明を探しました。VL45はガラスシェード(全体発光)ですので、部屋全体を明るくすることもできます。ENラウンドテーブルの上にΦ175とΦ250の2灯吊りしていますが、Φ370の1灯吊りにしてもよかったかなと感じています。
ラウリッツェンが建築した「ラジオハウス」では、テーブル照明として使われていなかったはずですので、ダイニングテーブルに限らず、至る所に設置できるペンダントライトです。照明を増やす機会があれば、VL45を増やしたいとなる気がしています。
スペック
ブランド:Louis Poulsen(ルイスポールセン)
デザイナー:Vilhelm Lauritzen(ヴィルヘルム・ラウリッツェン)
デザイン:1945年
寸法|175
φ175mm×H171mm(本体のみ)H246mm(真鍮パイプ含む
全長(コード+器具):1825mm
重量:約1kg
250
φ250mm×H246mm(本体のみ)H328(真鍮パイプ含む)
全長(コード+器具):1740mm
重量:約1.7kg
370
φ370mm×H370mm (本体のみ)H448(真鍮パイプ含む)
全長(コード+器具):1860mm
重量:約3.8kg
備考|シェード:3層吹きガラス 真鍮:ヘアライン仕上(艶消し加工・無塗装)
ハンドメイド拭きガラス